名著「自分の時間」に学ぶ1日24時間の有意義な使い方

はじめに

私たちの人生において最も貴重な存在であるにもかかわらず、軽視されているのが時間です。

時間の使い方によって人生は大きく影響されますが、お金とは違って無形の概念なので、使い方を意識することはとても困難です。だらだらYouTubeを見ていたらいつの間にか1時間を消費していることや、仕事に追われて気付いたら1週間が経っていたということは誰もが持つ経験かと思います。

しかし、時間は皆に唯一平等に与えられている財産です。大企業の社長も有名タレントも私のような普通のサラリーマンも、皆同じ時間が与えられています。さらに言えば、時間は毎日の固定配給制です。
今日どれだけ時間を浪費しても、明日にはまた新しい時間が与えられます。

つまり、誰にでも、いつからでも、時間の使い方を見直して人生の再スタートを切ることができるということです。今回は以下のような人にぜひ読んで欲しい記事となっています。

・人生に仕事(本業)以外の意味や目的を見出したい
・色々とやりたいことはあるけど、やるべきことに追われて自分の時間が作れない
・現状より幸せな人生を送りたい

今回は誰もが悩む「時間の使い方」ひいては「幸せな人生の作り方」について、具体的なヒントを示してくれる実用書「自分の時間 1日24時間でどう生きるか(アーノルド・ベネット著)」について紹介します。

私自身もこの本を読んで自分の考え方と行動が大きく変わり、結果人生に変化が生まれました。

皆さんもこの本から、自分の生活や生き方を変えるヒント・勇気・刺激を得ることができると思います。

「自分の時間 1日24時間でどう生きるか要点

本書の要点は主に3つです。

  1. 1日24時間の中に仕事後から始まる「内なる1日」を作り、1日を2つに分けて考える。
    そうすることであらゆる問題から解放された自由な時間が手に入る。
  2. 朝に30分と夜に90分を捻出する。
    朝の30分が1日を充実させ、夜の90分が人生を豊かにする。
  3. 「思考を集中させる時間」と「内省する時間」を作る。
    この2つの習慣が人生の幸福度を上げる。

それぞれに焦点を当てて、本書の要約を見ていきましょう。

「自分の時間 1日24時間でどう生きるか要約

「時間」の価値を理解する

時間とお金は人生における重要な資産の代表としてよく比較されますが、性質は大きく異なります。

時間があればお金は稼げますが、お金があっても時間は買えません。時間はとても貴重な存在です。しかし反対に、お金は勝手に増えませんが、時間は毎日24時間ずつ勝手に与えられます。この限られた時間の使い方が人生の全てを決めると言っても過言ではありません。

明日には明日の24時間が用意されており、今日には今日分の24時間しか用意されていません。そのため私たちが幸せを掴むためには、流れゆく「今日の24時間」を全力で生きて、地道に価値ある日々を重ねていくしかないのです。

私も就職してから自分の時間がなくなり、「時間ができたらやろう」としてたこと(ブログもその1つです)がたまっていました。でも本書から、「時間ができる」ことはないと気付かされます。時間は自ら生み出すものです。

次からは本書のメインである「自分の時間」の生み出し方を解説します。

1日24時間の中に「内なる1日」を作る

皆さんの1日のメインとなる活動は何ですか?
社会人として生きる人のほとんどが「仕事」と答えるはずです。
ではその1日のメインである仕事にどれくらいの熱量を注いでいますか?
この質問にドキッとする人は多いのではないでしょうか。なぜなら大抵の人(私も含めて)は手を抜けるところで手を抜き、仕事に全熱量を注いでいないからです。しかし家に帰ると、何故かやり切った気分になり、何故か疲れたと思い込み、だらだらしてしまう。こんな日々が続いていませんか?

つまり多くの人が全力を注いでいない仕事を1日の全てだと思い込み、それによって「残りの時間」を仕事のイントロとアウトロのように考え無駄にしてしまっているのです。

その解決策は1日24時間の中に「内なる1日」を作ることです。

例えば仕事が朝9:00〜夜7:00まであるとしたら、夜7:00〜朝9:00までが「内なる1日」となります。その時間はお金を稼ぐ必要がない自由な時間と考えることができます。その「自分の時間」を何か生産的な活動や自分の好きな趣味に充てることで、仕事に縛られていた1日は好きなことと仕事を両立できる1日になるわけです。

「そんな簡単じゃない!実際疲れてるから動けない!」という声が聞こえてきますが、本当にそうでしょうか。仕事後に恋人や友人との予定が入っている時は誰でも元気に満ち溢れていると思います。大事なのは対象を変えることです。残業は嫌ですが、同じ業務でなければ副業でも勉強でも読書でも何でもできるはずです。思い込みを脱しましょう!

本書では、内なる1日を具体的にどう使うべきかまで示してくれています。

朝に30分と夜に90分を捻出する

朝の30分について

朝の1時間は夜の2時間に匹敵すると言われるほど集中力があり作業効率が良い時間帯です。仕事前の30分を何かしら学びの時間に充てましょう。朝はインプットよりアウトプットをするべきだという意見もありますが、まずは何か生産的な活動をする習慣がついてから考えれば良いと思います。

始業10分前に起きてすぐパソコンを起動し会議に入るような生活をしていた私には突き刺さる内容です。この本を読んでからは2時間早く起きるようにして、他の本や動画で学んだ内容を含む習慣を実践する時間にしています。もちろん1時間程度読書に充てています。早起きは気分が上がるし、自己肯定感も上がります。朝が苦手な方は、朝起きる目的を作りましょう。明確な目的とその目的に対する強い意志がないから起きられないのです(自分がそうでした)。

朝いつもより1時間でも早起きして、落ち着いた気持ちで一杯紅茶を飲みながら読書できるかどうかでその日の充実度が決まると考えて良いでしょう。

夜の90分について

朝の30分よりも難しいのがこの夜の90分です。夜は仕事終わりで疲弊している(と思い込んでいる)し、誘惑が多いです。この90分を邪魔する最大の敵が夕食です。夕食という一大イベントがあることにより、夜の90分を確保することは非常に難しくなります。

私の入社1年目は仕事後の夕食だけが楽しみで、本書的言い方をするなら、仕事後の時間は夕食のイントロとアウトロに分かれていました。スーパーに買い出しに行って調理するイントロの1,2時間、YouTubeを観ながら食事するメインの1時間、そのままの余韻でYouTubeやNetflixを観る2,3時間、まさに堕落した生活でした。笑

集中力の観点から食前に時間を取るべきだとは思いますが、私は断然食後をおすすめします。夕食が一時の休息になり、再度活動を始める強い意志さえあればスッキリした状態で始められるからです。この90分が内なる1日で最も重要な時間になります。

この朝と夜の合計2時間の積み重ねが、あなたの人生を好転させることになります。

また本書では、一気に高い目標を立てることは良しとされていません。皆さんもいきなり高い目標を立てて挫折し、自己肯定感が下がったことがあると思います。まずは小さな変化で良いのです。少しずつ習慣を変えることが重要です。

「思考を集中させる時間」と「内省する時間」を作る

「内なる1日」中で、毎日「思考を集中させる時間」と「内省する時間」を取ることも重要です。これらの行動は、直接的に私たちの幸福度を上げる役割を持ちます。

思考を集中させる時間について

思考を集中するとは、1つのことのみを集中して思考し、それ以外を脳内から排除することです。これはマインドフルネスと言われ、瞑想による訓練を勧める本もあり最近話題になっています。人間は常に自動思考が行われ、勝手に脳内が思考を始めてしまいます。そのため1つのことに集中し続けるのはとても困難です。

例えば通勤中に訓練するとしましょう。思考の対象は何でも良いです。「上司からチャットがきてたけど、なんて返信しようか?」と思考していると前から犬を連れたおばあちゃんが歩いてきます。「可愛いな。おばあちゃん朝から元気だなあ。」といつの間にか別のことを考えていることに気づき、意識的に思考を戻します。「危ない危ない。そういえばこの前も視界からの情報に引っ張られたなあ。」とまた別の思考が始まります。このように、人はなかなか1つのことを思考し続けることができません。

自動思考を止めることやマインドフルネス瞑想をすることは、集中力up・洞察力up・リラックス効果など様々な効果が期待されていますが、本書では思考を集中するトレーニングにより感情のコントロールが可能になるとあります。

喜怒哀楽などの感情は全て脳内で起こるため、脳内の思考をコントロールできるということは、感情をコントロールできるということになるという論理です。

毎日5分程度の思考集中トレーニングで、自分の思考ひいては感情をコントロールできるようになりましょう。(私はマインドフルネス瞑想を習慣にして、思考集中トレーニングの代用としています)

内省する時間について

内省するとは、1日の自分の言動を振り返ることです。毎日の内省の習慣が、人生の幸福度を上げる近道となります。

「幸せとは何か?」
これは人生におけるテーマであり、過去にも多くの哲学者や宗教家を含む偉人たちが自分の答えを示しています。また幸福の研究も進んでおり、THE GOOD LIFEは長期に渡る追跡研究の結果から人間の幸福について論じた名著です。また他の記事で紹介します。

本書で深い言及はされていませんが、幸福とは自分の生活信条と実際の行動が一致していることとしています。かなりざっくりした論調ですが、私としてはとても納得感のある考えです。

私は感情的に行動して失敗することが多く、「自分はこうしたい」という信念(本書でいう生活信条)とは違う行動や発言をすると大抵の場合は深く後悔したり、自己嫌悪に襲われます。自分の信念と実際の人生が一致することで幸福(または不幸の回避)に繋がることは間違い無いでしょう。

つまり、1日の言動を振り返る内省の時間を取ることで、自分の生活信条を明確化し、ギャップを認識し、断固として行動することで幸福に近づくということです。(私は感情ジャーナル、いわゆる日記を毎日つけることで代用しています)

おわりに

今回は「自分の時間(アーノルド・ベネット著)」に学ぶ1日24時間の有意義な使い方を紹介しました。最後に要点を再掲しますので、復習しましょう。jj

  1. 1日24時間の中に仕事後から始まる「内なる1日」を作り、1日を2つに分けて考える。
    そうすることであらゆる問題から解放された自由な時間が手に入る。
  2. 朝に30分と夜に90分を捻出する。
    朝の30分が1日を充実させ、夜の90分が人生を豊かにする。
  3. 「思考を集中させる時間」と「内省する時間」を作る。
    この2つの習慣が人生の幸福度を上げる。

内容を厳選した上で噛み砕いて説明していますので、興味を持った方は是非購入して読んでみてください。ボリュームも少なめでとても読みやすいですし、私自身心を動かされた部分がいくつもありました。自信を持ってお勧めできる名著です。

要約を見た後に読書をする意味

要約を見て本の概要を知ると、実際に読む必要はないと考える方もいると思いますが全くそんなことはありません。私は以下のメリットがあると考えています。
・読むスピードの調節で思考する余白が生まれるため、より頭に入り内容が残る
・要約では省かれる具体の部分も読むため、より納得感があり心を動かされる
・ビジネスにも活きるスキルが上がる(語彙力、文章力、具体抽象思考力、論理的思考力など)

あとは単純に読書はめちゃくちゃ楽しいです。普段聴けない価値ある話を直接聴けている気分になりますし、知らなかったことだらけで感動しますし、、とにかくいいことづくしです。笑 とはいえ要約動画や要約サイトも「軽い勉強」「いい本探し」「読んだ本の復習」には使えますのでもちろんお勧めです!

今後も自分が読んでお勧めしたいと思った本を紹介していきますので、是非みてみてください。
一緒に本から学びを得て、豊かな人生を送りましょう!

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